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「ニュース雑感」 第１０９回を更新しました。
今あるニュースのポイントを端的に伝えていく「ニュース雑感」を連載しています。
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【理性と感情】
先週金曜日、テレビ朝日の報道ステーション内で元経済産業省職員だった古賀茂明氏が「テレビ朝日の早河会長、古舘プロジェクトの佐藤社長の意向で、今日が最後ということなんですが…」と唐突に切り出した。「菅（義偉）官房長官をはじめ、官邸の皆さんにはバッシングを受けてきました」と重ねた。これに対し古舘伊知郎キャスターが「今のお話は承服できません。私は、４月からも機会があれば古賀さんに出ていただきたいと、今でも思っている」と反論。すると、古賀氏は、楽屋での古舘氏とのやりとりに言及し始めた。
「でも、古舘さん、言われましたよね？ 『私は何もできなかった。本当に申し訳ない』と。私は全部録音させていただきましたので、もしそう言われるなら全部出させていただきますよ」と詰め寄った。その後、古賀氏は「Ｉ ａｍ ｎｏｔ ＡＢＥ」と書いた安倍政権批判を掲げるなどして持論を、約８分程展開した。
仮にも公共の電波で流されている番組内で、感情的とも言える発言を８分もの間、しかも、「降ろされた」とする被害者発言はいかがなものか。
己の考えを理解してもらえないから、テレビで訴えるという行動に出たのだろうが、幼児が駄々を捏ねて「こんなにひどい目に遭っていたんです。皆さん、私の発言を指示してください」としか見えない。不平や不満を公共の電波に乗せるべきではなし、そういう事実があるなら、テレビではなく、本人に直接言うべきである。事実か事実でないことが問題なのではなく、古賀氏の言動そのものが、今回の場合、問題なのではないだろうか。
日本には言論の自由がある。しかしそれは、理性が伴ってのことではないか。理性を失くしたら感情しか残らない。感情だけでは物事を前に進めることはできない。
（佐々木 政幸）
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