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「ニュース雑感」 第１０９回を更新しました。
今あるニュースのポイントを端的に伝えていく「ニュース雑感」を連載しています。
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【是か非か】
２５万円のブリキの玩具を万引きされた古書店「まんだらけ」（東京都中野区）が、「期間内に盗品を返さなければ犯人の顔写真を公開する」と警告していた問題で、結局、同社は１３日、ホームページでの警察からの要請で顔写真の公開を取りやめた。
この一件をめぐる新聞などメディアの報道は、内容を調査することもしっかりとした分析をすることもなく、万引きをした容疑者への人権侵害という弁護士ら外部識者の優等生的な発言を恣意的に掲載していた。
コンビニに強盗が入れば、警察は積極的に犯人の映像を公開する。放火もしかり。それなのになぜ万引きされた場合、警察は消極的なのか。人命優先•凶悪性が線引きなのだろうか。それとも人間『個』が対象か。
だとしたら、今回のようなケースの場合、企業は泣き寝入りになってしまう。顔写真を公開すれば人権侵害になる恐れがある。事件の捜査は警察が行うから顔写真の公開は控えてほしいとして、近隣の商店に犯人の顔写真を配付しているが、未だに確保されていない。
そこに、前段にあるようなマスコミの報道姿勢である。
何が是で何が非なのか。
思想や法律のみを盾に行動倫理を語る評論家や法曹関係者は己の視点からしか物事を見ていないのではないだろうか。人を傷付けなかったから、物を盗んだだけなんだからそんなに騒ぐなよ。「それ人権侵害になるよ」と言っていたら、犯罪はどんどんエスカレートしていく。
また、問題提起をすべきは万引きされたお店ではなくマスコミのはずなのだが、御用聞き報道やワイドショー的な報道に接していると、第四の権力という看板がやけに悲しく映る。この先、評論家や法曹関係者そしてマスコミから、犯罪抑止の問題提起があることを期待したい。
（佐々木政幸）
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