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「ニュース雑感」 第１０９回を更新しました。
今あるニュースのポイントを端的に伝えていく「ニュース雑感」を連載しています。
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【危機対応の現実】
兵庫県姫路市の「日本触媒姫路製造所」で１名の死亡者を含む３７名が死傷した爆発炎上事故から１ヶ月以上が過ぎた。
９月１７日には兵庫県警網干警察署捜査本部が業務上過失致死傷容疑で爆発現場となった同製造所アクリル酸中間貯蔵タンクの現場検証を開始したが、１０日間以上を要した現在も原因の究明には至っていない。一方では、消火活動の放水準備中に爆発時の犠牲となった網干消防隊員・山本永浩さんの遺族には、事故原因についての説明はいまだになく、同社に対する遺族の不信感と無念さが増している。
同社は事故発生後、姫路製造所や大阪本社で記者会見を実施したが、タンク内温度の監視態勢については「管制室で常時監視している」としていたものが、その後、「一日数回の巡回でタンクの温度計を目視していた」と訂正するなど、説明が二転三転。
日本触媒のホームページでは「姫路製造所における爆発・火災事故について」が第５報まで掲載されているが、投資家向けの資料と思えるような内容ばかりで、とても事故を起こした当事者のものとは思えない
ものである。
不祥事を起こした企業の最悪の対応は、隠ぺい、保身、責任逃避から始まり、不信、信用失墜で終わるのだが、同じことがまた繰り返されている。（東 淘汰）
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