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  • 「ニュース雑感」 第109回を更新しました。
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【クライシスを繰り返す企業には明確な弱点がある】

9名が死亡、2名が重軽傷を負った中央自動車道笹子トンネル上り線の天井板崩落事故で、中央自動車道のトンネル崩落事故を受け、中日本高速道路の金子剛一社長が事故当日の12月2日、名古屋市の本社で記者会見し「大事故を起こし大変申し訳ない。行方不明の人がいるので、まず救出が第一と考えている」と謝罪した。トンネルの天井部分が老朽化した可能性について、担当者は「あるかもしれない」と述べた。
神妙な面持ちで座ったまま頭を下げた金子社長。約50人の報道陣には資料が配布され、同席した吉川良一保全・サービス事業本部長(非常対策本部副本部長)がトンネル断面図のパネルを示しながら、矢継ぎ早の質問に応じた。
1977年に開通したトンネルの点検や老朽化をめぐり、質疑は集中。落下した天井板について、吉川事業本部長はこれまでに大規模な改修工事はしておらず、開通当初から設置されたままだったことを明らかにした。直近の9月に実施した保守点検については「天井板の上のダクトの中に入って、目視や打音でさびや亀裂などを確認する詳細な点検だった」と説明した。事故現場に学識経験者を派遣、社内には調査委員会を設けるとし「トンネルの経年劣化の影響については委員会の結論を待つ。三十数年たっているので、(影響が)あるかもしれない」と述べた。会見は約2時間半続いたが、即答できないことが多く一時中断した。
会見には、高速道路を管理する保全・サービス事業本部の吉川良一本部長と、同本部の飯塚徹也担当部長が同席し、詳細な点について説明した。
 崩落の危険性はどれくらいあったのかを尋ねられると「具体的な危険箇所や、老朽化の対策などは、これから検討するところだった」と説明。「原因として、経年劣化ということは考えられるか」との質問には「調査委員会の調査結果を待たなければならない」とした上で、「それも考えられる」と述べたが、その後、保守点検の詳細については記者会見を重ねるたびに説明が二転三転し、「天井板の上のダクトの中に入って、目視や打音でさびや亀裂などを確認する詳細な点検だった」が、結局、打音検査は行われていなかったことを認めることとなった。 そして、吉川保全・サービス事業本部長(非常対策本部副本部長)は、下り線の不具合に関して「捜査を受けており、コメントは控えたい。事故原因の究明に向け、国交省の調査委員会に全面的に協力したい」を繰り返し、詳細な説明を拒んでいる状況となってしまったのである。

社長の座ったままの頭を下げる行為→被害者や遺族に対して心から申し訳ないと思っているのだろうか
即答できず記者会見が中断→現場を知らずに記者会見に臨んでいるために、説明者としての責任を果たせていない
説明が二転三転→現場のことを誰も把握していなかったことが明白であり、対策本部が機能していないことが容易に想像できる
最後には口を閉ざしてしまった→国交省と法律家の言いなりになってしまい、被害者や遺族への説明責任はもちろん、利用者の不安を払しょくしようとする姿勢がまったく見られない

 所詮、この企業の危機管理の意識レベルはこの程度なのだろう。
 どんなに外見(企業のイメージ)が立派であっても、内面(そこで働く社員の意識や姿勢そして実力)が伴っていないと、今回のような失態を演じてしまうことになるのだ。
 これは、中日本高速道路社に限ったことではない!すべての企業に言えることである。
事件や事故は起こさないことが最良であり、そのための対策を常に講じるべきであることは言うまでもないが、不幸にして起きてしまったとき、企業の対応や姿勢如何ですべてが変わってしまうことを忘れないでいただきたい。
 情報化社会の現代、ネットワークやシステムといった情報セキュリティに目がいきがちだが、セキュリティを管理しているのが人間であることを忘れてはいないか。どんなにすぐれたシステムがあったとしても、運用する「者」の意識が低ければ何もならない。
 昨年の東京電力の対応が反面教師になったはずなのだが、悲しいかな企業で働くサラリーマンは「誰かがやるだろう」「俺の責任じゃない」そして根拠のない「うちは大丈夫」的精神の、対岸の火事にしか考えていないのだろうか。

 今年の年初、中日本高速道路社の金子剛一社長は「昨年は、当社元社員が起こした不祥事により、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまからの信頼を大きく損うこととなってしまいました。昨年12月27日から公判が始まりましたが、公判を見守りつつ、社内の調査委員会では、引き続き事実関係の調査をおこなうことと合わせて、業務プロセス全般について、改めて検証しているところであり、これらが明らかになった段階で、再発防止策と関係者の処分を明らかにしたいと考えています。この教訓をしっかりと受け止め、再発防止策を徹底するとともに、失った信頼を回復するため、気持ちを新たに「新生NEXCO中日本」として再出発してまいりたいと考えております・・・。我々の役割は、ネットワークを整備し、経済・文化の交流を活発化させ、経済の発展や観光に寄与すること、そして、ダブルネットワークを形成し、災害に強い高速道路を作ることです」だった。

(佐々木政幸)

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