2018年06月05日【第122回】「不起訴」とした大阪地検

 いったいなんのための「地検特捜部」なのか――5月31日、大阪地検特捜部は、財務省の改ざん問題などで虚偽公文書作成ほかの疑いにより刑事告発していた佐川宣寿・前理財局長らを不起訴とした。このほか8億円の値引き問題が背任にあたるとして告発されていた近畿財務局の担当者や関係者など計38人全員を起訴しないことに決めた。当初は立件に向けてやる気満々の大阪地検特捜と言われていたものの、ふたを開けてみれば全員、お咎めなし。こんなことでは日本という国は何をやっても許される異様な国家になりかねない。

 そもそもはじめから大阪地検にはあまり動きがみられなかった。2017年6月、もう一方の捜査対象である森友学園には強制捜査に踏み切りながら、財務省・近畿財務局には強制捜査ナシ。強制捜査と立件はいわばセットのようなものなのだから、昨年夏から秋の時点でもはや「不起訴」が既定事実となっていた。引き延ばしで時間稼ぎをしつつ、結果的には何も「実」が存在しないこの現実にはあきれ返るばかりだ。

 東京地検はリクルートやイトマン、東京佐川急便などなど、数々の疑獄を世間にしらしめた。大阪地検にも強い時代はあったといわれるが、まだ記憶に新しい2009年、厚生労働省・村木厚子局長への免罪逮捕によって、信頼は完全に失墜した。今回の財務省改ざん問題は、失地回復の最大のチャンスと言われていたはずだった。

 今後、疑惑は検察審査会の手にゆだねられる。過去、検察審査会の審査で不起訴が「強制起訴」になったケースは9件。政府与党の思惑でもある「不起訴で一件落着」になってしまうのだろうか。