2018年03年19日【第111回】大手マスコミは起死回生を図れるか

 森友学園に関する財務省の文書書き換え問題が、とうとう内閣を揺るがす事態に発展してきた。現在進行形なので断定できぬことが多いものの、森友学園に対し不動産価格の1割程度という格安価格で売却された国有地について、安倍晋三首相や昭恵夫人が同学園と親密な関係にある、とされたことや、当初から売却価格を近畿財務局が公開しなかったことなどから憶測を含めて疑惑が生じた。この売却をめぐる経緯を記した記録を実際のものから大幅に書き換えて財務省が公開したことも明るみに出て、ただならぬ様相を示している。

 忖度(そんたく)という言葉を流行語にした今回の疑惑には、国家を揺るがすいくつかの懸案が含まれている。ひとつは言うまでもなく官僚組織の基本的な在り方。目的は不明だが記録を改ざんしたことは事実。こんなことが許されるのであれば、国民はすべて国家権力の奴隷と化しているようなものだ。

 二つめは政治家と官僚との関係。今回の場合、忖度とは官僚が政治家の顔色をうかがいつつ何でも言いなりになる、という意味になる。本来、それぞれが独立した別個の存在であるはずだ。そして三つめは大手マスコミの存在意義そのものだ。

 第二次安倍政権がスタートしてすでに6年が過ぎる。その間、大手マスコミのほとんどはそれこそ安倍首相の顔色をチラチラ見ながら忖度して報道してきた。言うべきことを言わず、書くべきことを書かずにやっと生きながらえてきた、と言っていい。「財務省、公文書を書き換え」を報じた朝日新聞の姿勢が、権力を監視する役目を放棄し、政治家にバカにされるまでに堕落した大手マスコミの起死回生となるか――期待と願いにあきらめもないまぜにして事態は進展する。