2018年04月01日【第113回】大臣発言と新聞のレベル

 「森友の方がTPP11より重大だと考えているのが今の日本の新聞のレベルだ」――どうやら麻生太郎財務相は、いまだに”安倍一強”が続いているものと勘違いしているようだ。3月29日、参院財政金融委員会の席で言い放った言葉が感覚のマヒした安倍内閣を国民に伝えている。

 麻生大臣のコメントは環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の結果を受け、当日の各紙報道に不満を寄せたもの。森友学園問題の余波によほど腹を据えかねたのか、TPP11の署名式報道について「日本の新聞は一行も掲載されていなかった」などとデタラメまで披露することとなった。同署名式については、朝・毎・読・産経・日経の主要五紙がしっかりと報じている。

 マスコミ批判なら二階俊博自民党幹事長や安倍首相の十八番かと思っていたが、厚顔無恥で権力行使に慣れきった閣僚のメンバーに共通するものらしい。これが安倍政権の支持率が高いときなら「マスコミが悪い」と押し切ることもできたかもしれない。だが、危機的な状況を迎えている現状においては、麻生財務相の暴言が火に油を注ぐ結果になろう。足元である財務省内での歴史的な不祥事がなんら解決していない現在でも、こんな暴言が同省トップから飛び出すのである。

 それにしても、思い通りに事が運ばなければなんでもマスコミ報道のせいにしようといった姑息で稚拙な言動が、今の政治家に多過ぎると思わないだろうか。翻って、こんなバカバカしい政治家の言動を許すまでにしたのは、とりもなおさず大手マスコミ各社のこれまでの報道姿勢にある。政治家と闘うことを忘れてしまった新聞など、マスコミと呼ぶのも憚られる。インターネット上で揶揄される「マスゴミ」がいつしか定着しないことを祈るばかりだ。