2018年06月21日【第124回】大阪北部地震とNHK報道

 6月18日午前7時58分、週明けの通勤・通学時間帯を襲った大阪府北部地震は、マグニチュード6・1、最大震度6弱に達する強いものとなった。大阪府で震度6弱以上を記録したのは今回が初めてで、死傷者400人以上の惨事となった。発生直後からマスコミ各社の報道が続いているなかで、目を引くのがNHKのルビ(ひらがな)ふり文字スーパーだ。

 特段読み方が難しい漢字だけに焦点を当てたものではまったくない。たとえば「震度(しんど)」、「津波(つなみ)」、「心配(しんぱい)はありません」といった具合だ。漢字とかながあふれるニュース画面に対し、かえって読みづらい、見にくいといった声も出てはいるものの、従来の枠にとどまらない報道姿勢として高く評価されるべきであろう。

 NHKが子どもや外国人にも伝わるようにこうした処置をとったキッカケは、2011年3月の東日本大地震だったという。緊急時に少しでも多くの人々に可能な限り早く正確な情報を――がそのねらいで、2016年11月に東北・北関東で起きた地震で初めて試した。

 実は緊急報道にかかわらず、一般的には読みにくい・読めない漢字がニュースに登場する機会は思いのほか多い。地名や人名など、固有の読み方が必要なときだ。日本人でさえ(知っていなければ)読めない地名だって数多く存在する。これまで新聞もテレビも「読める」ことを前提にした報道姿勢を貫いてきたが、そろそろ今まで以上に読者や視聴者の側に立った報道姿勢を打ちだしてもいいのではないか。「分かる人は分かる、伝わる人に伝わればいい」といった傲慢な情報伝達は、とっくの昔に終わっていることを認識すべきである。