2018年06月27日【第125回】教訓は生かせているか

 6月18日に発生した大阪府北部地震は、日を追って被害が拡大していることが明らかになった。高槻市で女児1人が亡くなったブロック塀の違法設置のみならず、JR、私鉄各線、地下鉄の鉄道利用者が影響を受けた数は延べ500万人に上る。これに伴う帰宅困難者も同様の数に達し、大阪市内などでは徒歩で帰ろうとする人の波が続いた。23年前の阪神・淡路大地震、7年前に起きた東日本大地震の教訓はいったいどこに消えたのか――。

 発生から1週間後の25日になって帰宅困難者についてコメントしたのは松井一郎大阪府知事。「民間企業に対して会社にとどまることや、帰宅時間の分散対応を要請すべきだった」と話した。大阪府はこの件に関してとるべき対応はしなかったということだ。

 「想定外」という言葉が頻繁に使われたのは、ご承知のとおり、東日本大地震でアッという間に被害が拡大し、甚大な影響をもたらしたときだ。結局、人間は何度、痛い目に遭っても同じ過ちを繰り返してしまう。対岸の火事としかとらえていない。

 大阪を中心とする住宅被害は8000棟を超えた。一方で当初は1800人に迫った避難者の数は261人(6月25日現在)まで減った。それでもまだ200余人が自分の家を追われている現状を直視すべきだ。東日本大地震で避難を余儀なくされた人はいまだに7万人以上いることも決して目をそむけてはならない。日本政府は、2020年東京五輪の準備に血眼になる前に、やるべきことがあるのではないだろうか。